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応用生命科学科   生命科学(バイオ)の力で食品・環境・エネルギーの未来を拓く

環境生命科学・環境ゲノム学・農芸化学・生命理工学分野東京薬科大学 生命科学部 大学院 生命科学研究科



 
 


活躍する応用生命科学科の卒業生からのメッセージ

本学科を卒業し、社会で活躍されている卒業生の方々の声を紹介します. 
教員・研究者食品・化粧品・化学医療・製薬 関連の職場で働く卒業生の声は、特集ページからご覧下さい.

行政機関・公共団体・財団・社団等  
  1. 宮下 振一 さん

    東京都福祉保健局 
    健康安全研究センター 渡部 隆哉 さん   
  2. 国立研究開発法人 海洋研究開発機構 (JAMSTEC) 研究員 加藤 真悟 さん >  
  3. 産業技術総合研究所 計測標準研究部門 無機分析科 環境標準研究室 研究員 宮下 振一 さん >  
  4. 足立区 衛生部足立保健所 衛生試験所 大川 元 さん  
  5. 東京都庁 大川 佳子 さん  
  6. 国立遺伝学研究所 生命情報•DDBJ研究センター 照井 敬子(旧姓 渡辺)さん  
  7. 東京都立産業技術研究センター 木下 健司 さん  
  8. 農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所 鈴木 忠宏 さん  
  9. 東京都福祉保健局 西多摩保健所 生活環境安全課 水上 薫 さん  
  10. 農業生物資源研究所 研究員 小林 功 さん  
  11. アメリカ国立衛生学研究所 /国立がん研究所(NIH /NCI) 今清水 正彦 さん  
  12. 日本環境測定分析協会 室田 知里さん  
  13. 宇宙航空研究開発機構(JAXA) 本原 守利 さん  
  14. がん研究会がん研究所 研究員 南澤 宝美后 さん
高等教育機関(大学等)  
  1. 小野寺さんとラボの仲間たち

    コロンビア大学
      博士研究員 山崎 高志 さん
  2. Université de Paris-Sud XI  ポスドク研究員 小野寺 威文 さん >    
  3. 筑波大学 生命環境系 助教 JST さきがけ研究員 蓑田 歩 さん
  4. 千葉科学大学 薬学部 講師 照井 祐介 さん    
  5. 東京大学 大学院 農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 特任助教 吉田 拓也 さん    
  6. POSTECH Department of Life Science ポスドク研究員 山岡 靖代 さん    
  7. UC Davis Department of Plant Sciences ポスドク研究員 緑川 貴文 さん    
  8. 広島大学 講師 味八木 茂 さん  
  9. 慶應義塾大学 医学部 薬理学教室 助教 加藤 靖浩 さん  
  10. 東京大学 大学院 総合文化研究科 特任研究員 斎藤 昌幸 さん  
  11. 新潟工科大学 入試広報課 勤務 松田 豪 さん  
  12. 京都府立医科大学 助教 上 大介 さん  
  13. 京都大学 生態学研究センター /山口大学 医学系研究科 杉本 貢一 さん
中等教育機関(中学校・高校等)  
  1. 稲葉 剛 さん

    東京都足立区立渕江中学校
     教諭(理科主任)稲葉 剛 さん > 
  2. 東京都私立中学・高等学校 教諭 相亰 里奈 さん  
  3. 福岡県福岡市立中学校 教諭 阿部 良明 さん  
  4. 東京都足立区立中学校 教諭 稲葉 剛 さん  
  5. 神奈川県立秦野養護学校 教諭 幡野 仁哉 さん
人材育成・教育関連  
  1. リバネス 立花 智子 さん  
  2. NPO法人 こども自然公園 どろんこクラブ 寺田 浩之 さん
製薬・医療関連  
  1. 朝山 絵里 さん

    ナイフィックス 
    臨床開発グループ 朝山 絵里 さん >  
  2. エーザイ 市原 慎太郎 さん  
  3. アステラス製薬 児玉 遊 さん  
  4. ヤンセンファーマ 片桐 史郎 さん  
  5. 協和メデックス 金城 健太 さん  
  6. 小林製薬 藤田 道香 さん  
  7. 自治医科大学附属さいたま医療センター 初期臨床研修医 北島 明日香 さん(旧姓:中村)  
  8. 薬樹 よつば薬局さぎぬま 工藤 敦子 さん  
  9. 旭化成ファーマ 臨床開発センター 臨床開発部 藤井 かおり さん
食品・化粧品関連  
  1. 岩見 祥子 さん

    ロッテ
     新納 寛也 さん  
  2. 森産業 岩見 祥子 さん >  
  3. 再春館製薬所 平野 泰子 さん  
  4. コーセー研究所 顧 一凡 さん  
  5. マルコメ 中田 啓司 さん  
  6. ユーグレナ 朝山 雄太 さん  
  7. 協同乳業 原 来人 さん  
  8. カルビー 佐久間 英輔 さん  
  9. 大塚食品 光井 麻優香 さん  
  10. オリオンビール 鈴木 淳史 さんNHK「サラメシ」にも出演)  
  11. 日本ハム 徳田 健 さん
化学・製造業関連  
  1. 松本 寛子 さん

    タカラバイオ
     営業部 梅田 直 さん  
  2. 日本農薬 研究開発本部 松本 寛子 さん >  
  3. 日本製紙 研究所 勤務 平原 知香 さん  
  4. ハイモ 湘南研究センター 技術研究所 米倉 温 さん  
  5. アイメックス 研究開発センター 技術部 五十嵐 章裕 さん  
  6. 日本製紙 生産部 永豊餘造紙(揚州)有限公司 出向 山下 治城 さん  
  7. オリンパス 研究開発知的財産部 林 悠子 さん  
  8. 日本製紙 山下 治城 さん  
  9. オリンパス 研究開発センター 診断技術開発部 堀野 葉子 さん
環境・分析関連  
  1. 田村 英祐 さん

    日本ウォーターズ
     田村 英祐 さん >  
  2. ジーエルサイエンス 下谷 真仁 さん  
  3. 住化分析センター 根田 礼子 さん  
  4. IHI検査計測 長島 祥晃 さん  
  5. 日曹分析センター 大貫 晋平さん  
  6. 三井化学分析センター 材料物性研究部 物性解析G 山田 樹里 さん
建設関連
  1. 土田組 土田 進也 さん
  2. 鹿島建設 技術研究所 大野 貴子 さん
金融・情報サービス関連  
  1. 丸 幸弘 さん

    電産
     松塚 悟 さん
  2. 日本アジア投資 シンガポール, タイ, インドネシア現地法人CEO 梅田 和宏 さん
起業家・自営業
  1. グローバル・ウイングス / バックストリートファクトリー 代表取締役 臼井 基樹 さん
  2. 三つ豆ファーム 経営 山木 幸介 さん  
  3. リバネス 代表取締役CEO、ユーグレナ 技術顧問 丸 幸弘 さん >  
  4. 農業 坂田 武範 さん  
  5. フリー スポーツ・インストラクター 笠原 綾 さん
 
会社経営を通して環境保全・地域貢献

土田 進也 さん

平成12年 環境生命科学科(現応用生命科学科)卒業(環境応答生物学研究室、現・環境応答植物学研究室)
株式会社 土田組 専務取締役
NPO法人 亀田ジュニサポ 理事長


 私が東京薬科大学の生命科学部を受験し入学したのは、「砂漠の緑化」について興味があり、漠然としてですが将来は環境ビジネスに取り組んでみたいと考えたからです。
 しかし私の実家が大正2年から続く建設業を営んでおり長男ということもあって、東京で数年働いたのち全く畑違いの職業に就くことになってしまいUターン後の数年は現場作業や施工管理の仕事を覚え、近年は経営に重きをおいております。
 一見、建設業は2020年の東京オリンピックや東日本などの震災復興で華やかに見えますが地方経済は先の見えない厳しい状況と向かい合っています。
 その中で他社との差別化を図りながら自分の興味があった環境ビジネスとしてトース土工法(透水性保水型土系舗装)を会社で取り組んでおります。この工法は、簡単に説明すると透水性と保水性の機能を持ち、雨水流出抑制及びヒートアイランド現象抑制の働きをする土系の舗装工法です。新潟県でも格式のある弥彦神社などでも施工させていただきました。

トース土工法のイメージ



 また、地元の商工会議所青年部に所属していることもあり子ども達と接する機会も多く、地元密着の仕事をしているので地域貢献出来ないかと考え、地域の子ども達が夢を実現するためのお手伝いをするためのNPO法人を仲間たちと設立しました。
 この法人は、子どもたちの主体的な学び、自立的な成長を支援するための活動拠点を提供し、行政、企業、地域の諸団体、地域住民とも連携しながら子どもたちによる地域活性化事業へと繋げ、次代の担い手として地域貢献できる子どもたちの創出を目的としています。
 最後に、大学入学した目的は「砂漠の緑化」でしたが、今は建設業の仕事で地元のために、NPO活動で未来の宝である子ども達のために、緑とともに笑顔溢れる街づくりへ環境保全・地域貢献目指して頑張っていきます。
NPO法人亀田ジュニサポ

事業説明会


敬老の日の鉢植え体験
 
都民の安心と安全を守る

渡部 隆哉 さん

平成23年 環境生命科学科(現応用生命科学科)卒業(環境ストレス生理学研究室、現・環境応用動物学研究室)
平成25年 大学院修士課程修了 (環境ストレス生理学研究室、現・環境応用動物学研究室)

東京都福祉保健局健康安全研究センター 広域監視部 建築物監視指導課 ビル衛生検査担当


ビル内の衛生状態を検査

 環境衛生監視員の主な業務は、環境衛生に関係する施設(床屋さん、美容室、銭湯など)に対して、適切な衛生状態で運営しているかを監視、指導を行う仕事です。その中でも、私が現在勤めている建築物監視指導課は、特別区のビルを専門に監視指導する部署です。ビル内の空気環境や飲料水が、適切な衛生状態に保たれているかを検査しています。我々の仕事が、ビル内で仕事をする方々の環境衛生向上に関わることに責任を感じる共に、やりがいを感じています。自分たちが都民の方々の安心と安全を守るということ常に自覚し、さらなる環境衛生の向上目指し、日々職務に励んでいます。研究生活では、仕事を進めていくうえで重要なことを学びました。研究成果を出すには、自分一人で研究を進めてもうまくいきません。周りの先輩や先生方に報告、相談し、実験手法を検討することで、解決策を見出してきました。こうした経験を活かし、仕事上で困難な課題が生じた時も、先輩、上司と一丸となって解決するよう取り組んでいます。研究生活を共にした先輩、先生方とは今も付き合いがあり、よく食事をしたりします。これらのつながりは、生涯を通じてのかけがえのない私の宝物となっています。みなさんもぜひ、仲間と共に研究に励み、充実した研究生活を送っていただければと思います。

 

卒業生の活躍が新聞で紹介されました 2014.10.18

卒業生 (環境応答) 丸幸弘さんが、朝日新聞、フロントランナーで紹介されました


2014年10月18日付 朝日新聞 フロントランナー 「科学の力で世界を変えたい」

環境応答の卒業生 丸幸弘さん(リバネス代表取締役)が、朝日新聞のフロントランナーで紹介されました。丸さんの情熱的な生き方が伝わってくる面白い記事です。また、東薬時代、都筑先生と覚しき教授が出てくるのですが、その先生とのやりとりも、都筑先生ならそんなこと言いそう、というほのぼのとした楽しいものです。皆さんもぜひ見てみて下さい。
丸さんの会社経営奮闘記へ http://b.marucom.jp/archives/52134666.html
 
持続可能な農業を実践


山木 幸介 さん

平成13年 環境生命科学科(現応用生命科学科)卒業(環境分子生物学、現応用微生物学研究室)
三つ豆ファーム 経営

化学肥料を使わずに栽培したニンジンの収穫

 私は千葉県山武市で三つ豆ファームという農場を経営して9年目を迎える新規参入農家です。2,5haほどの畑を使って、農薬、化学肥料を使わない栽培で年間40種類ほどの作物を栽培しています。両親が農家でもない私が、農業で生計を立てよう!と決心したのは北インドはパキスタンとの国境の町カシミール。湖に浮かぶボートの上でした。大学卒業後進学した筑波大学大学院では微生物を利用した水処理の研究をし、修士課程を修了しましたが、本当に熱中できるものがほかにあるのでは?という思いを捨てきれずに飛び出したアジア放浪の旅の道中の事です。この旅の一番の収穫は心底自分と向き合うことができたこと。おかげで一生の仕事と言えるものを見つけることができました。学生の皆さんにも国内、国外問わず一人旅に出ることをお勧めします。一人の旅は、体は外へ、心は内への旅となります。若いうちにじっくりと自分を見つめる経験は後に大きな財産となることでしょう。そしてその時はぜひお気に入りの本を数冊持っていくことをお勧めします。読書は旅を深め、旅は読書を深めます。実際の旅と読書の旅は表裏一体なんですね。

 今から思うと無限にあった学生時代の時間。ぜひともどんどん外へ出て、心の内側へ旅をして、素敵な人や素敵な本に出会っていってください。(東薬ニュースレター 2013. 8月号より)
 
食品衛生から公衆衛生までカバーし、 住民に安心を届けたい。


大川 元 さん

埼玉県立不動岡高等学校出身
2005年3月 大学院修士課程修了(環境応答生物学、現環境応答植物学研究室) 
2007年3月 同博士課程中途退学 

足立区 衛生部足立保健所 衛生試験所 勤務

 食品衛生監視員として保健所に4年間勤務し、食品の製造、販売に関する許認可や調理施設の監視指導などに携わりました。2年前に衛生試験所に異動になり、現在は検査業務を担当。食中毒や感染症が発生した場合に微生物やウイルスを検査し原因を明らかにしたり、住民への情報提供などを行っています。食品に関する苦情や相談も多く、まずは話をしっかり聞き、疑問や不安を的確に把握することから始め、わかりやすく伝わりやすい言葉を選んで回答するよう心がけています。問題が解決して「安心しました」「ありがとう」と言ってもらえたときが一番うれしいですね。 

 大学で学んだ微生物やウイルスの基礎的な知識、それに培養方法や検査方法が日々の業務に活用できているほか、住民にわかりやすく回答するスキルや、検査・調査結果を報告するときの文書作成能力も授業や実習を通じて磨かれたものだと思っています。これまでは食品衛生に関する知識が興味の中心でしたが、異動によって検査業務を担当するようになり、食品衛生から公衆衛生全体に関心が広がりました。仕事で得られた情報を職場内だけでなく、他の自治体の監視員や検査技師に対しても発信し、お互いに活用できるネットワークを構築するのが今後の目標です。
 
新しい目標へ向かって


大川 佳子 さん

2011年 環境生命科学科(現応用生命科学科)卒業(環境応用動物学研究室)
2013年 大学院修士課程修了(環境応用動物学研究室)
東京都庁 勤務

 私にとって、修士の2年間はとても有意義で実りの多い時間でした。日々の研究活動を通し、ひとつの目標に向かって熱中することの面白さや、新しい発見に関わることの喜びを感じてきました。実験は失敗と試行錯誤の連続でしたが、粘り強く努力することが結果に繋がることを学びました。また、修士論文の作成により、達成感を得ると共に、大きな自信をつけることができました。

 春からは東京都の衛生監視員として、日本の台所である「築地」で理化学検査を行う予定です。大学で学んだ知識を生かし、「人々の健康を守る」という新たな目標に向かって、首都公務員として社会に貢献することができるよう、今後も努力していきたいと思います。 (東薬ニュースレター 2013. 5月号より)
 
ラボラトリーオートメーションで活かされる学生時代の経験

下谷 真仁 さん

平成17年 生命科学部環境生命科学科卒業(環境動態化学研究室)
平成19年 大学院生命科学研究科修士課程修了 (環境衛生化学研究室、現生命分析化学研究室)
ジーエルサイエンス株式会社 勤務


実験ロボットの展示会 カリフォルニア州パームスプリングにて

 私が勤めている会社は主に研究開発、製造工程分野、品質管理、環境分析関連などの広い分野における分析・試験・検査に用いられるクロマトグラフィーに関する商品を販売しております。私たちが生活する上でクロマトグラフィーによる成分の分析、解析は無くてはならないものとなっています。身近なところでは、我々が口にする食品の安全性を確保することに一役買っています。私はこのクロマトグラフィーと研究室時代に出会い、現在勤めている会社の商品を使用し研究をしていました。
 学生時代に私は環境中でヒ素がどのような運命をたどるのかを明らかにする研究をしていました。ヒ素濃度の高い河川の生物を採取して、含まれるヒ素化合物がどのような形態なのかを調べ、実験室では培養した藻類やミジンコにヒ素を添加し化合物が経時的にどのように変化していくのかを観察しておりました。この研究を行うにあたり、研究室の垣根を越えて多くの方にご指導いただき、また実験する場所も与えていただきました。このような経験から私は生命科学部の研究室は垣根など無く様々な視点から自由に研究ができる素晴らしい環境だったと今でも思います。

私の相棒

 卒業後、研究室時代に得たクロマトグラフィーの知識を活かせると考え、現在の会社に入社しましたが、私が配属になったのはハミルトンロボティクス社製の自動分注装置(興味がありましたらYoutube でhamilton microlabで検索してください)というクロマトグラフィーとは関係が無い、私にとって全く未知のものを取り扱う部署でした。自動分注装置は読んで字のごとく液を自動で分注する装置ですが、簡単に説明すると自動で実験やその準備を行ってくれるロボットです。このようにロボットに行わせることをラボラトリーオートメーションと呼びます。研究成果を出すためには非常に多くのデータが必要となり莫大なルーティンワークの時間が必要となります。ラボラトリーオートメーションはルーティンワークで割いていた時間を有効利用できる他、ヒューマンエラーによる実験ミスの排除、作業者のリスクを軽減等、様々なメリットがあります。そのため、今日では多くの研究所でラボラトリーオートメーションが当たり前のように行われています。

Hamilton robotics社のエンジニア(真ん中)との交流

 私の業務は研究者が行いたい操作をプログラミングしロボットに反映させることです。その操作は多岐にわたり、核酸抽出やPCRセットアップ、細胞培養、ELISA、クロマトグラフィーにおける試料の前処理等があります。さらに、同じ内容の操作でも研究者によって細かな違いがあり、その違いを理解しなければなりません。これらの要望に応える際に東京薬科大学で学んだことが活かされています。授業で得られた知識も役に立っていますが、特に研究室や学生実習で学んだ実験操作の原理や経験は研究者が望むロボットの動作に近付けるという点で非常に活かされています。
 東京薬科大学の授業カリキュラムは学生実習を含め、幅広い分野の学問を網羅し、様々な知識や経験を得ることができます。社会に出ると学生生活と違い、展開がめまぐるしく動き、ついていけなくなりそうになります。その時に助けてくれるのが学生時代に学んだことです。私の恩師であります故 貝瀬利一教授は学生時代、日頃私に「学生時代に学んだことは必ず君の血となり骨となる」とおっしゃっていました。その当時は実感がありませんでしたが、今、私はそれを実感しております。

ジーエルサイエンス株式会社 
http://www.gls.co.jp/index.html

 
会社勤務の傍ら、客員研究員として東薬で研究をしています

根田 礼子 さん

2008年 環境生命科学科(現応用生命科学科)卒業(生命分析化学研究室)
2010年 大学院修士課程修了(生命分析化学研究室)
株式会社住化分析センター 固体解析グループ 勤務
東京薬科大学 客員研究員(生命分析化学研究室)

大切な試料の分析、集中力が必要です。

 私が所属している固体解析グループでは、おもに一般企業から依頼される分析業務を行っています。測定対象は多岐にわたり、分析方法もお客様のあらゆるニーズに可能な限り対応するため、先輩社員とともに分析計画を立てながらこなす毎日です。
 とはいえ、測定対象が未知の試料であることも多いため、計画通りにいかず、何度も検討を繰り返すこともあります。それだけに、提出した結果をお客様に満足してもらえたときは、役に立てた喜びと達成感を覚えます。
 また現在、同グループとは別に技術開発センターにも所属して、新しい分析技術の開発にも携わっています。その分析技術開発に関し、母校である東薬と共同研究契約を結んでおり、私は会社に勤務しながら客員研究員として大学で研究も行っています。東薬とはつくづくご縁があるなあとうれしく思っています。
 東薬の大きな魅力は、学生と教員の距離が近く、ディスカッションしやすい環境です。他の研究室の先生にアドバイスをいただいたことも度々あり、おかげで私の研究生活はとても充実したものになりました。あの日々があったからこそ、自主性、考察力、粘り強い研究姿勢を培うことができ、今の私があります。東薬で出会った人々や過ごした時間は大きな財産となっています。

 
そのキラキラが未来の自然を守ると信じて

寺田さん

寺田 浩之 さん

平成14年 環境生命科学科(現応用生命科学科)卒業(生態学研究室)
NPO法人 こども自然公園 どろんこクラブ 勤務

寺田さんの自然体験コース

自然体験コースの一コマ

 私の仕事はひと言でいうと「自然の魅力を伝えること」です。具体的には、NPO法人の職員として、環境教育事業の企画、運営を行っています。同時に、フィールドとしている公園の自然環境保全、組織の運営なども行っています。
 この仕事の最大の魅力は「子どもたちのキラキラした目に出会えること」です。大げさだと言う人もいますが、自然の中で未知なるモノに触れた瞬間の目は本当にキラキラしているのです。当初、「未来の自然を守るため」だと意気込んではじめた仕事ですが、いまの楽しみはキラキラした目に出会うことになってしまっています。
 この仕事に出会ったのは、大学4年のころでした。私は神奈川県内水面試験場の研究生として席を置きながら、「ホトケドジョウ」という絶滅危惧種の生態を研究していました。その研究の傍ら環境教育の手伝いをする機会があり、そこで「キラキラ」に出会ってしまい、卒業後も環境アセスメントの仕事をしながら、休日は月に何回か関わることとなりました。それから、「未来の自然を守るため」には「自然の魅力を伝えること」が重要であると考え、それを仕事にするための経験を積んで、今にいたっています。

寺田さんの自然体験コースの一コマ

自然体験コースの一コマ

 
 私が「未来の自然を守る」という夢に素直に向き合い、貫きつづけていられるのは、大学の自主性を重んじた校風の影響も大きかったと感じます。しっかり親身になって相談に乗っていただける先生たちも魅力です。ちなみに、私はいまでも時々、お酒を飲みながら東浦先生に相談にのっていただいています。
 いまの私の目標は、もっとたくさんの「キラキラ」に出会うための新たな組織を立ち上げることです。この文を書くにあたりこのページを見て、同期のみんなもそれぞれの分野で活躍していることを知り、とてもいい刺激を受けました。その刺激を力の源として、これまで以上に全速力で突っ走っていこうと思います。
 
『夫婦で、農薬・化学肥料を使用しない有機農業に取り組んでいます』

坂田さん

坂田 武範 さん

2004年 環境生命科学科(現応用生命科学科)卒業(生態学研究室)
農業


 夫婦で、農薬・化学肥料を使用しない有機農業に取り組んでいます。そうは言っても、まだ独立して間もない、新米農家です。
 3年前、農業の道に進むことを決め、両親に話したところ、大反対されました。
「なんのために大学にいかせてやったと思ってるんだ!」
大学を卒業後、2年間企業で働くものの退職し、青年海外協力隊に参加しアフリカへ。やっと帰ってきたと思ったら今度は“農業やります”宣言。学費を払った親としては、当然沸き起こる気持ちかもしれません。
 でも、私にとっては、繋がっているんです。東京薬科大学に進んだこと、そしてその後時を経て、農業を職業とすること。大学時代があったからこそ、青年海外協力隊に参加したいと考えるようになったし、農業というものに興味を抱くようになりました。
 色んなことへの挑戦、色んな人との出会い。自分の可能性にワクワクし、また一方で、自分の弱さに情けなくなることも度々あった学生生活。それらの全てが、今の私を支えてくれています。

 
『フィールドワーク』

笠原さん

笠原 綾 さん

2001年 環境生命科学科(現応用生命科学科)卒業(生態学研究室)
フリー スポーツ・インストラクター


 生態学研究室で学んだ一年間は貴重な体験をさせて頂きました。卒業研究のテーマは、森林の成長量から二酸化炭素固定量を算出するものでしたので、フィールドでの定期的な測定や山奥から研究対象を採取したりと研究室内にとどまらず自然と直接向き合い、肌で感じながら環境について研究をするという理想の研究室でした。フィールドワークは自分の研究以外にも友人達のものを手伝い自然と仲間意識も高まり、四年生の一年間でしたが教授と同期の仲も良くとても楽しい充実した時間でした。

笠原さんの運動指導風景

運動を指導する仕事です。

 現在、私は大学で学んだ分野とは少し離れたスポーツトレーナーとして健康に携わる職についています。ケガをした方が日常生活を過ごせるように、更にはスポーツを行える状態まで復帰させることや、高齢者の介護予防のために運動を指導する仕事です。様々な症例に対応するため日々勉強の毎日ですが、クライアントの希望にそった結果がでて感謝の言葉を頂くと、遣り甲斐のある仕事だと実感します。生物学が好きでスポーツも好き、人と接することも大好きな私が健康を通じて社会貢献できている今があるのは大学時代に出会った方々のおかげです。
 大学で生命科学を学び人と繋がりを経て今のスポーツ科学を追求するきっかけになったのだと思います。とにかく色々なことに興味をむけさせてくれる素敵な学科です!
 
大学の魅力を伝えるために試行錯誤の毎日です

松田さん
松田 豪 さん

平成13年 環境生命科学科(現応用生命科学科)卒業(生態学研究室)
新潟工科大学 入試広報課 勤務

 新潟工科大学は、新潟県産業界の「実務教育を通じて、優秀な技術者を県内に輩出できる場を自らの手で作りたい」という思いから設立された工学部のみの単科大学です。これまでに、多くの優秀な技術者を輩出しています。
 私が所属する入試広報課では、学生募集、入学試験、広報誌の発行、大学ホームページの管理・更新など幅広い業務を行っています。その中でも中心業務となるのが、学生募集と入学試験です。学生募集と一言で言っても、進学説明会での高校生への説明、オープンキャンパスの企画・実施、大学見学会の実施、高校へ訪問しての先生への大学紹介、進学雑誌・進学サイト等への広告の掲載などがあります。何をしたら大学の魅力を伝えられるのか?どうしたら高校生に分かりやすく説明できるのか?日々、試行錯誤の日々ですが、なかなか答えが見つかりません。入学試験も同様で、入試制度や地方会場、入試科目の検討・設定などがあります。適正な学力測定ができるのか?受験生の利便性・公平性のためにはどうしたら良いのか?考えたらきりがありません。大学全入時代と言われて久しく、入学者が少なければ、大学の経営が成り立たなくなってしまいますので、責任感を持って、仕事をしています。
 東薬では、生態学研究室の1期生として、たくさんのフィールドワークを経験させていただきました。卒業後は、河川の環境調査や農業改良普及員といったフィールドでの仕事に従事していましたが、前述のとおり、現在は、生命科学とは関係のない分野に従事しています。ですが、本学工学部には、環境科学科という学科があり、生命科学も専攻分野に含まれており、高校生や高校の先生に説明する際には、東薬での専門教育が役立っています。人の役に立つモノの研究や開発をする側から、研究・開発をする人材の育成を手伝う側に変わりましたが、高校生に研究・開発分野に進むきっかけを作ることができればと思っています。
 最後に、私のように少し異なる分野に進んだ者でも、生命科学部で学んだ「科学」の知識が少なからず、生かされています。自信を持って、自分の進みたい分野に進んでください。
 
「課題に深く取り組むこと」と「生物や自然環境にあわせること」の大切さを学びました      

大野さん

甘草の水耕栽培株(右)生育800日(左)250日(2011食品工業展にて)
大野 貴子 さん

 

平成10年 環境生命科学科(現応用生命科学科)卒業(環境応答生物学、現環境応答植物学研究室)
鹿島建設株式会社 技術研究所 勤務

大野さん ビルの地下工事

ビルの地下工事に伴う掘削作業現場

 子供の頃から植物や生物が好きな事もあり、将来は環境に携わる仕事がしたいという思いから、東京薬科大学の生命科学部応用生命科学科(当時は環境生命科学科)に入学しました。大学では環境分野について幅広く勉強でき、実習を少人数で長時間かけて行うカリキュラムであったため、一つの課題に対して深く取り組むことができました。大学4年生の時に環境応答生物学研究室(現環境応答植物学研究室)に入り、他の研究室と共同でサンゴに共生している藻類の単離培養に取り組みました。1年間という研究期間は大変短いものでしたが、サンゴが元気な状態でサンプリングをするために西表島にて実験する等貴重な体験をしました。また同時に人間の都合ではなく、生物の状態(自然状態)にあわせる大切さも教えてもらいました。
 そして今は、植物工場プロジェクトにて漢方薬原料である甘草の水耕栽培技術の研究をすすめています。植物工場の利点は屋外ではなく人工環境下での植物栽培が可能なため、作物を安全にまた天候に左右されずに安定供給できることです。そのメリットを生かせる作物として、当社では遺伝子組み換え作物や漢方薬原料について研究を進めており、検討作物の一つとして甘草の研究を行っています。
 甘草は一般的な作物と異なり、人間の都合にあわせて生育してくれることはなかなかありません。そのため実験当初は大変苦労しました。しかしながら、検討の甲斐もあって、甘草の水耕栽培に成功*することができました。
 目標を一つ達成することができても、また新しい課題が発生するため研究に終わりはありません。また世の中の環境も刻々と変化していくため、取り組むべき問題点はたくさんわいてきます。これからも大学時代に学んだ「課題に深く取り組むこと」と「生物や自然環境にあわせること」を忘れずに、人と生物が共生できる社会をつくることに貢献していければと考えています。
 * 甘草の水耕栽培システム開発に成功
鹿島建設株式会社プレスリリース
http://www.kajima.co.jp/news/press/201010/28e1-j.htm
http://www.kajima.co.jp/news/press/201109/20e1-j.htm
鹿島建設HP 月報KAJIMAダイジェスト
http://www.kajima.co.jp/news/digest/feb_2011/searching/index-j.html

 
大学でえた幅広い知識・経験を業務に生かしています

水上さん
水上 薫 さん

平成23年 大学院修士課程修了 (環境ストレス生理学、現環境応用動物学研究室)
東京都福祉保健局 西多摩保健所 勤務

水上さん 環境放射能測定の様子

環境放射能の測定の様子

   私は、環境衛生監視員として都民の暮らしに関わる理美容所・クリーニング所・旅館・興行場・公衆浴場・プール・温泉利用施設等が適切な衛生管理を行うよう指導をしています。これらの施設を対象に、法令に規定されている基準にもとづいて、衛生状態や構造設備の検査や、空気環境・水質の検査も行います。最近ではアレルギー性の花粉の測定や環境放射線の測定も行うなど、都民が関心のある環境業務についても取り組んでおり、多くの都民の生活や暮らしの安心・安全に関わりがもてることに、やりがいと責任を感じながら日頃の業務に励んでいます。

 私たちの業務では、多くの法令に基づいて監視指導を行っているため、幅広い知見が必要とされます。その中で、豊富な実習や研究を通して学んだ実験手技、理系全般にわたる幅広い知識など、東薬で培った幅広い技術や考え方を活かす機会が想像以上にたくさんあることを実感しました。在学中には今後の自分に関係ないと思ったことであっても、様々な形で現在の業務につながっているので、生命科学部で習得した多くの知識や経験が私の支えとなっています。様々な分野について学び、知見を広げることができる生命科学部では、将来の選択肢を広げることができます。学生のうちに幅広い分野に触れておくことは、社会人として成長する上で大きな糧になりますので、在学中はいろいろなことに挑戦して、自分の可能性を広げてほしいと思います。

 
航空宇宙から環境まで検査・計測の試験を任されています

長島さん
長島 祥晃 さん

平成23年 大学院修士課程修了 (環境応答生物学、現環境応答植物学研究室)
IHI検査計測  勤務

 私は今、IHI検査計測という会社で働いています。社名の通り、様々な検査•計測を行っておりその分野は、航空宇宙から環境まで及びます。その中で、私の所属する部署ではIHIの研究開発支援をしており、車、船、発電所などに使われる様々な材料の強度試験を行っています。強度試験とはどういうものかというと、材料に繰り返し力をかけて壊れるまでの回数を計測します。聞くと単純そうに思うかもしれませんが、試験片の形状が毎回異なるのでそれにあわせて試験条件を組み立てていくのでとてもやりがいのある仕事です。強度試験の他にも壊れた所の形状を顕微鏡やSEMで観察することもあります。意外と機械系の会社でも東薬で使う機器を使っていて役に立つこともよくあります。
 入社直後は、大学の研究室で行っていたテーマとは研究のテーマが大きく変わり、右も左も分からない状態でしたが、9ヶ月経った今では、簡単な試験を任されるようになりました。ここで、研究室で得た経験がとても役に立っています。研究室では、実験をしてデータが出るたびに先生とディスカッションをしていました。このときによく言われたのが、「実験の目的は何か」「細胞の状態や実験中で普段と違うところはなかったか」といったことです。ここで重要なのは、目的が分からないと注意すべきところも分からないということです。先生からしっかりアドバイスを受けていたおかげで、会社の仕事でも実験の意味、注意することは何かを常に気にしながら取り組むことができ、スムーズに進められています。また、ディスカッションを通じて、どう報告すれば相手に分かりやすく伝えられるかを考えていたので上司に対する「報•連•相」にも役立っています。
 最後に、大学時代に何でもいいので「やりきった」と思える経験をしてみてください。そこで得た人間関係や考え方はきっと、どの分野でも役に立つと思いますよ。
 
Change the world!

梅田さん

梅田和宏さん

平成13年 大学院修士課程修了 (環境応答生物学、現環境応答植物学研究室)
日本アジア投資株式会社
 (Web site: http://www.jaic-vc.co.jp/)
JAIC Asia Holdings Pte Ltd, President and CEO
JAIC Asia Capital Pte Ltd, President and CEO
PT. JAIC Indonesia, President and CEO
JAIC (Thailand) Co., Ltd, President and CEO

梅田さんの載ったインドネシア新聞記事

インドネシアにおける固定価格買取制度ベースの小水力エネルギー発電の第一号案件を報じられた記事。右端が著者。

Business Indonesia誌(2011年5月2日)より
 私は平成13年3月に大学院生命科学研究科(環境応答生物学研究室)を卒業し、ベンチャーキャピタル(投資銀行)の日本アジア投資株式会社(東証1部:8518)に勤務しております。現在はシンガポールに在住し、シンガポール、タイ、インドネシアの現地法人を経営しております。
 東薬の学生時代には環境応答生物学研究室に所属し、都筑教授に紹介していただいた
(独)農業生物資源研究所で卒業研究をしておりました。卒業論文のテーマは「デンプンの合成機構」でした。当時は朝8時から夜10時くらいまで先輩方のご指導を受けながら集中して研究、勉強した時期でした。一方、時間ができると他の研究室を遊び回っており、先輩方に大変よくしていただいたのを覚えています。そのまま修士課程に進み、東薬に戻り今度は自分で単離した遺伝子を大腸菌で発現させ、その産生物の解析をしておりました。その間、遺伝子特許も取得しました。環境応答生物学研究室では多くの学生が在籍する中、実験機器の台数が限られているので早朝組、昼組、深夜組と時間で住み分けをして仲良く実験したのを覚えています。とても多様性に富んだ仲間が集っており、就職先も私のような金融会社から宇宙開発、ベンチャー、消防官、アパレル、飲食、マスコミ、自由業、環境保護団体、大学助手、環境計測会社、製薬企業、出版社、コンサル、食品会社、建設会社など様々でした。皆、各ジャンルで頭角を現し始めており同級生としてとても頼もしいです。
 一方、私は2年前にシリコンバレーから戻り、最近はシンガポールから新興国のベンチャー企業やエネルギープロジェクトに投資を実行しています。投資先の発掘、Due diligence、条件交渉、契約締結、投資先のバリューアップ、exitまでをマルチナショナルな社員と共にとてもエキサイティングな日々を過ごしています。5年以内に次のGoogle, Facebookを世に送り込めるようにがんばっています。
 最後に東薬の在校生の皆さんに私が住んでいた当時、シリコンバレーの起業家、学生、老若男女を問わず隅々にまで浸透していた言葉でいつの間にか私にも染み込んでしまった言葉を贈ります。「Change the world」。 今の時代の向かい風を揚力に変換し、世界に羽ばたいてください。

著者が仕掛けたDuPont家とのdealについては下記bloomberg 2010年9月27日号参照
 
環境測定を支援する業務の中で、東薬で培った知識や経験が役立っています

室田さん

室田知里さん

平成21年 環境生命科学科(現応用生命科学科)3年終了時、大学院に飛び入学
平成23年 
大学院修士課程修了(環境応答生物学、現環境応答植物学)
平成23年 大学院博士課程入学(環境応答生物学、現環境応答植物学)
平成24年より 社団法人日本環境測定分析協会  勤務

 私は小さな頃から環境や生物に関することが好きだったので、将来は少しでもそういったことに関わる仕事がしたいと思い、東京薬科大学生命科学部に入学しました。
 東薬の授業カリキュラムの特徴は、一年次から様々な科目を勉強することです。生物は勿論、数学、物理、化学といった、あらゆる分野の“科学”の基礎となる知識を身につけることができます。そのため学生実習でも、片やマウスの解剖から、遺伝子組み換え、分子モデルのプログラミングやコンピュータシュミレーションまで幅広い分野の実験を経験することができて、とても楽しかったです。
 とくに植物生理学に興味を持った私は、試験資格が得られたこともあり、学部3年生終了後、同大学大学院修士課程へ飛び入学し、環境応答生物学研究室に所属しました。修士課程では、緑藻クラミドモナスのヒ素耐性機構について研究していました。自分にとって最も魅力的な分野の研究に取り組めたこと、そして、家族のような研究室のメンバーと、共に研究に精を出しつつ、年間行事(ソフトボール大会、研究室旅行etc)を楽しめたことは私にとって最高の思い出です。
 まだ博士課程1年を終了したところでしたが、縁あって平成23年に(社)日本環境測定分析協会に就職しました。現在は、環境測定分析を行う会社を一般の方に紹介したり、分析業務新任者向けの研修会を主催したり、環境計量士国家試験に関すること(受験講習会の開催、関連書籍の発行)に携わったりしています。そのため事務仕事がほとんどですが、研修会の準備や書籍の編集作業では、東薬で培った知識やノウハウが存分に発揮されています。
 私は最終的に、人をサポートするような仕事が自分の性格にあっていると思い、現在の職場に決めました。しかし、東薬で得られる様々な知識や経験は、将来的に、幅広い選択肢を与えてくれると思います。
 また、将来の可能性を広げる、という意味では、飛び級もまたその一つだと思います。私は結果として博士課程の途中で就職という形になりましたが、どんな形であろうと、自分が進みたい道に対して大きくプラスになることだと思います。研究が好きならば、一年早く専門的な研究に携わることができますし、就職活動においても、一つのスキルとして自分を後押ししてくれます。
 また、余談ですが私が今携わっている、環境計量士という国家資格も、スキルアップの意味で学生の皆さんにお勧めしたいです。環境測定分析業務を行う会社では必要不可欠な資格であり、そういった職種分野の就職活動の際にも役立つのではないかと思います。試験問題は大学レベルの基礎物理や化学が出題されるので、東薬の授業に真面目に取り組んでいれば十分合格の可能性があると思います。
 現在、将来のビジョンが見えている人も、そうでない人も、東薬の学生生活で自分を磨いて、未来の選択肢を広げていってください。

環境計量士国家試験の案内
http://www.jemca.or.jp/info/env/index.html
 
学生実習で習得した知識と技術を生かして化学物質の毒性を調査
大貫さん

大貫晋平さん

平成21年 大学院博士課程修了(環境分子生物学、現応用微生物学研究室)
株式会社日曹分析センター 小田原事業所 第二研究部 勤務

 日本曹達のグループ会社である日曹分析センターは化学物質の分析を受託する会社で、化学物質の物理化学的性質、医薬品の血中濃度、農薬の作物残留量、無機素材の性質などを分析しています。私の業務は、主に農薬やその代謝物の環境への毒性調査で、被検物質を溶解させた水で魚類やミジンコや藻類を飼育し、それら生物への影響から毒性値を算出しています。有害化学物質が環境中に放たれるのを防止することにつながるこの業務に誇りを持っていますが、将来的には新しい試験法の確立や毒性が生じるメカニズム解析などの「研究」に取り組みたいという希望を抱いています。
 東薬では、学生実習で生物・物理・化学に関する実験を経験し、今の仕事に役立つ実験操作を幅広く習得しました。また、友達とテニスのサークルを立ち上げ、その過程で「組織」の考え方を身に付けることができたのも、社会人としての強い武器になっています。
 生命科学部の学生は食品や製薬関連業界を中心に志望する傾向にあるようですが、生命科学部で学ぶことは、「科学」に関するほとんど全ての業界で活かせるはずなので、後輩たちには自信を持っていろいろな世界にチャレンジしてほしいと思います。

 
秒速8kmで飛ぶ日本の実験施設

本原さん
本原守利さん

平成11年 環境生命科学科(現応用生命科学科)3年終了時、大学院に飛び入学
平成13年 大学院修士課程修了(環境応答生物学、現環境応答植物学)

独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 宇宙環境利用センター 勤務


JAXAで働く卒業生本原さん

ロシアのロケットに実験試料搭載完了

 高度約400kmの宇宙空間を周回している国際宇宙ステーションには、日本が開発した有人宇宙実験施設「きぼう」が取り付けられています。この「きぼう」では、生命科学や物質科学などの科学実験、創薬や新素材創製などの産業応用に結び付く実験、そしてちょっとかわったところでは芸術や文化的表現の試みなど、多様な実験を行っています。私は平成13年に入社して以来、これらの実験を推進する業務に従事してきました。
 入社してからはじめの5年間は、蛋白質の立体構造解析に宇宙実験が役立つことを実証するプロジェクトに所属。製薬企業や大学等の研究機関から集めた貴重な蛋白質試料を実験装置にセットし、ロケットで打上げ、国際宇宙ステーションで結晶生成実験を行い、宇宙船で再び地球に回収するという一連の業務を行っていました。重力がほとんどない宇宙では、溶液内の対流の発生が抑えられるため、非常に静かな環境で結晶が成長し、地上に比べて質の高い結晶が得られます。その結晶を地上に持ち帰り、X線構造解析によって立体構造を調べるわけです。きれいな結晶ほど構造がよく見え、より精度の高いドラッグデザインが行えます。実際に創薬フェーズに進んでいるものがいくつもあり、今後が楽しみです。
 現在は、同じ「きぼう」の利用部門ではありますが、企画推進・計画管理的な業務に従事しています。次年度予算の要求や現年度の実行予算の管理、「きぼう」利用計画に関する企画立案など「きぼう」利用の取りまとめ的立場として多岐にわたる業務を行い、マネージメント能力を磨いています。
 今後も東薬での経験を生かし、人類の宇宙開発を引っ張る技術者を目指して邁進していこうと思っています。
 


株式会社 三井化学分析センター 材料物性研究部 物性解析G

山田 樹里 
さん
私立桐朋女子高等学校出身
2009年3月 生命科学部 環境生命科学科卒業(環境分子生物学研究室

 材料物性研究部物性解析Gでは、おもに
プラスチックの硬さ、柔らかさ、熱に対する強さなどの性質について分析を行っており、私はプラスチックの電気特性や熱特性を調べる仕事を担当しています。

 ひと口に分析といっても、その手法はさまざまです。電気や熱分野だけでも何通りもありますし、基本的なものから応用的なものまで多岐にわたります。毎日、先輩社員に教わり、メモを取り、自分でやってみるの繰り返しですが、きちんと覚えられたときはうれしくて自分を褒めてあげたくなります。また、顧客と相談して今までにない分析法を考えるときなども、難しいけれど未知の世界に飛び込んでいるようでワクワクします。

 私は学部の専攻とは違う化学系の会社に入りましたが、1~3年で学んだ有機化学、無機化学、分析化学、数学、物理学、物理化学などの基礎知識が現在の仕事に活きています。今でもわからないことがあると、学生時代に使っていた教科書やノートを引っぱり出しては読み直しています。また、仕事で外国の方と交流する機会があるのですが、授業で「読む、書く、聞く、話す」をバランスよく学び、海外研修でたくさんの英語に触れる経験をしてきたことで、他言語に関わることに抵抗がなくなったことも、東薬で学んだおかげだと思っています。