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応用生命科学科   生命科学(バイオ)の力で食品・環境・エネルギーの未来を拓く

環境生命科学・環境ゲノム学・農芸化学・生命理工学分野東京薬科大学 生命科学部 大学院 生命科学研究科



 
 

セミナーが行われました 2016.2.9

極限環境生物学セミナー


日時:2月9日(火)
講師:板谷 光泰 先生
慶應義塾大学環境情報学部、先端生命科学研究所
題目:枯草菌は知っていた! ゲノム編集技術によるゲノムデザイン・合成
内容:
 ゲノム編集(Genome-Editing)技術は、DNAの塩基配列を改変する手段として現在大ブレイク中です。枯草菌(こそうきん:Bacillus subtilis168株)は、30年以上前からDNAを自発的に取り込み相同組み換えが正確に行えます。現代風にいうと枯草菌はゲノムデザインを行うのに最適であり、巨大DNAの合成、再編集ができるユニークな宿主です。ラン藻ゲノムを丸ごと合成した例を中核に、新たなゲノムをデザインする実践を紹介して頂きます。
 多数のご来場をお待ちしております。

問い合わせ先:極限環境生物学研究室 山岸明彦

 

平成27年度 第9回生命科学セミナーが行われました 2016.1.20

第9回生命科学セミナーで 八木創太さん(極限環境生物学研究室)が講演

日時:1月20日(水)
演者:八木 創太 さん極限環境生物学研究室、博士課程3年)
演題:新規タンパク間結合面の設計による人工タンパク質線維の創出


 生体中には多くのタンパク質線維が存在する。近年、天然のタンパク質線維を産業化するための研究が盛んである。さらに、本来は線維化しないタンパク質を人工的に線維化することで、新しい機能性線維の開発も期待される。しかし、これまで2種類のタンパク質からなる線維を構築させた例はない。発表者は、多くのタンパク質表面に見られるαヘリックス上に結合面の設計を行ってきた。2種類の対称構造を持つタンパク質それぞれの両端に結合面を設計し、両者を混合することによって、2種類のタンパク質が交互に並んで形成したと予想される、直径4 nm程のタンパク質線維を確認した。



問い合わせ先:生命科学部 生命科学セミナー担当 高橋 勇二
 

セミナーが行われました 2015.12.21

浅原弘嗣 先生 ( 東京医科歯科大学 医学部 システム発生・再生医学分野 教授 )
講演題目:ゲノム編集技術と医学研究への応用


日時:12月21日(月)


 従来、遺伝子プログラムを書き換える手技としては、ES細胞やiPS細胞を用い、かつ、遺伝子組み換えの技術を応用したものがほとんど唯一の手法であったが、近年、TALENやCRISPRを用いた遺伝子編集技術の開発により、ノックアウトマウス・ラットやノックアウト細胞が簡便、安価、かつ正確に行うことができるようになったばかりか、以下にあげる今まで困難であったジェネティックス研究が可能になりつつある。
 ①Y染色体などの高度なリピート配列をもつ遺伝子の改変は困難であったため、ES細胞を用いたY染色体のノックアウトマウスの報告は今までなかったが、TALEN/CRISPRを用いることで、Y染色体上の遺伝子がもつ機能が詳細に明らかになりつつある。②腱・靭帯や関節軟骨などの生理・病理学的研究はマウスでは困難なことが多かったが、ノックアウトラットを用意に作成できるようになり、この分野の研究が一段と進むことが期待されている。③近い場所に位置する二つの遺伝子のダブルノックアウトマウス作成やUTRにおけるshort deletion、loxなどの小さな痕跡も残さないノックアウトマウスの作成は従来困難であったが、これらの遺伝子改変マウスが簡易に作成できるようになった。これにより、今までのノックアウトマウスの報告を詳細に見直す必要がでてきている。さらにこれら、TALEN/CRISPRシステムは、究極の遺伝子治療を目指した医療にも応用されつつある。

問い合わせ先:環境応用動物学 高橋 滋
 

平成27年度 第7回生命科学セミナーが行われました 2015.11.18

第7回生命科学セミナーで 室田知里さん (環境応答植物学研究室) が講演


日時:11月18日(水)
演者:室田 知里 さん(環境応答植物学研究室、博士課程3年)
演題:シアノバクテリアにおけるリン酸輸送体のヒ素輸送性

 シアノバクテリア Synechocystis sp. PCC6803は、通常培養条件下において100mMのヒ酸が共存しても生育が可能であり、高いヒ素耐性能をもつ。本研究では、このヒ素耐性能とその取込みに関わるリン酸輸送体との機能の関連を調べた。Synechocystis sp. PCC6803の野生株及びリン酸輸送体欠損株(Δpst1、Δpst2)において取込み活性を調べた結果、Pst1がAs(Ⅴ)よりもPiに特異性をもつ輸送体である可能性が示唆された。Pst1を元に、Pi特異性に関わる遺伝子、又はタンパクレベルでの特徴があるのか、また、それが他の生物においても保存されているのかなどを更に調べていきたい。


問い合わせ先:生命科学部 生命科学セミナー担当 高橋 勇二
 

平成27年度 第6回生命科学セミナーが行われました 2015.10.14

第6回生命科学セミナーで 古川龍太郎さん (極限環境生物学研究室) が講演


日時:10月14日(水)
演者:古川 龍太郎 さん極限環境生物学研究室、博士課程3年)
演題:アミノアシルtRNA合成酵素の分子系統解析に基づく真核生物の起源

 Woeseらは、16S/18S rRNAに基づいた分子系統樹を作成し、全生物を3つのドメインに分類した(Woese et al. 1990)。この3ドメイン間の系統関係、特に真核生物の系統学的位置については、真核生物が古細菌とは独立に進化したとする3ドメイン説と、古細菌から進化したとする2分岐説の間で議論されているが、結論は出ていない。本研究では、23種のアミノアシルtRNA合成酵素(ARS)の遺伝子の分子系統樹を作成し、真核生物共通祖先が持っていたARSの系統的位置と近縁な生物種を明らかにした。また、それぞれの系統樹における近縁な生物種を比較することで、真核生物の成立過程について議論したい。

問い合わせ先:生命科学部 生命科学セミナー担当 高橋 勇二
 

特別講義(セミナー)が行われました 2015.10.14

「多様性生物学」特別講義


講師:長澤 寛道 先生
東京大学名誉教授、浙江大学生命科学学院教授
題目:バイオミネラリゼーションの多様性
内容:
 生物が体の内外に硬い鉱物を作る反応をバイオミネラリゼーション(biomineralization)という。作られたバイオミネラルは、外敵から身を守ったり、平衡感覚を維持したり、不要な元素を排泄したりする役割を果たしている。バイオミネラルの主要なものは、難溶性のカルシウム塩(炭酸塩、リン酸塩など)であるが、鉄、ケイ素、マグネシウム、マンガン、亜鉛などを含む鉱物も存在する。微生物から高等動植物まで、多様な生物がバイオミネラルを形成し、その形態もまた多様である。現在、地球上の炭素の約90%が石灰岩として存在しているが、石灰岩は何億年にもわたる海洋の石灰化生物の遺体に由来しており、大気中の二酸化炭素濃度を低下させ、低濃度に保つことに貢献してきた。
 本講義ではわれわれが研究してきた中から主に2つの石灰化の例を紹介する。一つは、甲殻類における胃石と外骨格の石灰化と脱石灰化である。甲殻類は脱皮に先立って外骨格中の炭酸カルシウムを溶かし、それを胃石として炭酸カルシウムを一時貯蔵し、脱皮した後胃石を溶かして新たな外骨格形成に再利用するという節約システムをもっている。胃石や外骨格形成にはそれに含まれている基質ペプチドや基質タンパク質が重要な役割を果たしていることを明らかにした。また、胃石や外骨格は非晶質炭酸カルシウムを含むが、その安定化因子として2つのリンを含む低分子有機化合物を同定した。
 もう一つの例は、軟体動物の貝殻形成である。ここでは特に真珠の母貝であるアコヤガイの真珠層形成について紹介する。真珠層はキチン・タンパク質複合体から成るシートと平板状の炭酸カルシウム結晶が交互に重層された構造を有し、独特の干渉色を呈する。この構造の形成にはPifと名付けた基質タンパク質が必須であることがわかった。Pifは炭酸カルシウムのアラゴナイト結晶を誘導するだけでなく、シートの形成にもかかわっている。
 バイオミネラリゼーション研究分野は、骨や歯の疾患と治療などの医療分野から、サンゴ礁域の生態系の保全に係る環境科学、新規有機無機複合材料の創成を含む材料科学の分野などを含む幅広い分野にわたっており、またいまだその形成機構には未知の部分が多く残されていることから今後研究の発展が期待されている。

養殖真珠とその母貝であるアコヤガイの貝殻


問い合わせ先:環境応答植物学研究室 都筑幹夫、藤原祥子

 

「進化生化学特論」セミナーが行われました 2015.5.27

「進化生化学特論」セミナー

 

講師:柿澤 茂行 主任研究員
国立研究開発法人 産業技術総合研究所  生物プロセス研究部門  生物資源情報基盤研究グループ(本学科卒業生)
題目:マイコプラズマの全ゲノム操作と、生命と非生命の境界線
内容:
 私は東京薬科大学生命科学部の二期生として大学を卒業後、他大学にて学位を取得し、現在は産業技術総合研究所にて主任研究員として研究を行っている。その間に行ってきた研究について、セミナーの前半で紹介したい。具体的には、植物に感染する病原性細菌である「ファイトプラズマ」のゲノミクス・宿主特異性の解明・病原性因子の同定と、現在行っている「マイコプラズマの全ゲノム操作」についての研究を概説したい。
 マイコプラズマは「最少のゲノムを持った生命体」とも呼ばれ、「生命とは何か?」という大きな問いに答えるべく多くの研究が行われてきた。生存に必須な最少遺伝子セットの同定、ミニマムゲノムの作成、細胞内代謝系の完全理解などが挙げられる。加えて、生命と非生命の境界線を狭めるような興味深い研究も多数報告されつつある。セミナーの後半ではこれらを概説し、マイコプラズマの研究によって生命の理解についてどのように貢献できるかを紹介し論議したい。

(問い合わせ先:極限環境生物学研究室 玉腰 雅忠)

 

特別公開講義・セミナーが行われました 2015.5.22

山崎 高志 博士 コロンビア大学博士研究員(環境応用動物学研究室出身)


日時:5月22日(月)

第1部 特別講義
講演題目:ニューヨーク(コロンビア大学)での研究生活

応用生命科学概論の講義として実施されました。

第2部 特別セミナー
講演題目:幹細胞に特異的なスプライシング反応の同定と解析

選択的スプライシングはゲノム上の遺伝子情報をmRNAとして取り出す際に、唯一その情報自体を編集することのできる重要な反応です。今日ではES細胞やiPS細胞といった幹細胞は様々分野において新たなリソースとして期待されていることから、私は幹細胞の維持、分化にとって重要なスプライシングの同定とそのメカニズムの解明に取り組んでいます。本セミナーではこれまでに次世代シークエンサーを用いた幹細胞の分化過程における網羅的なスプライシングの解析から得られた結果をいくつかご紹介させていただきます。

(問い合わせ先:環境応用動物学 高橋 勇二)
 

セミナーが行われました 2015.4.29

 

平成26年度 第5回生命科学セミナーが行われました 2014.10.8

第5回生命科学セミナーで 高妻篤史先生 (生命エネルギー工学研究室 助教) が講演


日時:10月8日(水)
演者:高妻 篤史 先生 (生命エネルギー工学研究室、助教)
演題:微生物の細胞外電子伝達機構とその応用

 近年微生物細胞と電極の間で電子移動が生じうることが発見され,この現象(細胞外電子伝達)を利用した新しいバイオプロセス(微生物電気化学システム)が注目されている。細胞外電子伝達能力を有する微生物が有機物を代謝すると,その過程で生じた電子は細胞膜を通りぬけ電極へと移動し,その結果電流が生じる。このプロセスを利用することで,微生物を触媒とした燃料電池(MFC)を構築することができる。また 逆に電極から微生物細胞内に電子を供給し,物質合成を促進させるシステム(MES)を構築することも可能である。本セミナーでは細胞外電子伝達のメカニズムとその応用例について,我々の研究成果を交えながら紹介する。

電気をつくる菌

問い合わせ先:生命科学部 生命科学セミナー担当 高橋 勇二
 

平成26年度 第4回生命科学セミナーが行われました 2014.9.17

第4回生命科学セミナーで 仁田原翔太さん (極限環境生物学研究室) が講演


日時:9月17日(水)
演者:仁田原 翔太 さん極限環境生物学研究室、博士課程3年)
演題:海洋性マンガンクラストの微生物生態系の解析

 海洋性マンガンクラストとは、鉄とマンガンの酸化物沈殿が海底にある岩石等を覆ったものである。マンガンクラストはコバルト、チタン、白金などのレアメタルが含まれているため、将来的な資源として注目を集めている。我々はさまざまな海域からマンガンクラストおよび周辺環境の堆積物、海水を採取し、16SrRNA遺伝子を用いた培養に依存しない分子生物学的手法で微生物群集構造解析とその比較を行なっている。その結果、マンガンクラストと海水とでは微生物 群集構造が大きく異なることがわかった。本発表では詳細な解析結果や航海の様子などについて発表する。

 
海底面に広がる不思議なマンガンクラスト(上)と その断面(下)。
右下では、黒いマンガンクラスト層中に茶色の堆積物が含まれていることがわかる。

問い合わせ先:生命科学部 生命科学セミナー担当 高橋 勇二
 

極限環境生物学セミナーが行われました 2014.5.23

極限環境生物学セミナー

国立遺伝学研究所のvisiting professorとして来日しているウィーン大学のArndt von Haeseler教授をお迎えし、下記の要領でセミナーを開催致しました。von Haeseler教授は数学でPhDをとられ、ご専門は、進化生物学(分子系統学)や集団遺伝学の理論的研究です。(
連絡先:極限環境生物学研究室 横堀 伸一

日時:5月23日(金)17:00 ~
講師:Prof. Dr. Arndt von Haeseler(ウィーン大学 教授)
題目:Ultrafast Approximation for the phylogenetic bootstrap
joint work with: Bui Quang Minh, Minh Anh Thi Nguyen
内容:
 Nonparametric bootstrap has been a widely used tool in phylogenetic analysis to assess the clade support of phylogenetic trees. However, with the rapidly growing amount of data, this task remains a computational bottleneck. Recently, approximation methods such as the RAxML rapid bootstrap (RBS) and the Shimodaira–Hasegawa-like approximate likelihood ratio test have been introduced to speed up the bootstrap. Here, we suggest an ultrafast bootstrap approx- imation approach (UFBoot) to compute the support of phylogenetic groups in maximum likelihood (ML) based trees. To achieve this, we combine the resampling estimated log-likelihood method with a simple but effective collection scheme of candidate trees. We also propose a stopping rule that assesses the convergence of branch support values to automatically determine when to stop collecting candidate trees. UFBoot achieves a median speed up of 3.1 (range: 0.66–33.3) to 10.2 (range: 1.32–41.4) compared with RAxML RBS for real DNA and amino acid alignments, respectively. Moreover, our extensive simulations show that UFBoot is robust against moderate model violations and the support values obtained appear to be relatively unbiased compared with the conservative standard bootstrap. This provides a more direct interpretation of the bootstrap support. We offer an efficient and easy-to-use software (available at http://www.cibiv.at/software/iqtree) to perform the UFBoot analysis with ML tree inference.
 

環境応用動物学セミナーが行われました

環境応用動物学セミナー

日時:11月25日(月)11:50 ~
講師:浅原弘嗣 先生(東京医科歯科大学 大学院 医歯学総合研究科)
題目:It's NOT a small world: 小さな非翻訳RNAが織り成す遺伝学のフロンティアと医学への応用
内容:
 miRNA(マイクロRNA)は、そのシークエンスに相補的なmRNAに、Ago複合体をリクルートし、ターゲットとなるmRNAの安定性、あるいはタンパク合成を阻害することで、ターゲット遺伝子のタンパク生成を抑制する機能を発揮し、ポストゲノムとRNAシークエンスによって明らかにされつつあるヒトゲノムの最後のフロンティアの一つとして注目されている。
 私たちは炎症、関節炎の病態にかかわるmiRNAとして、miRNA -140が軟骨特異的に発現すること、関節炎の患者の軟骨細胞ではmiRNA -140が減少していことを見いだした。さらに、次世代シークエンサーをもちいた解析などにより、新たな軟骨特異的なmiRNAが同定されてきている。これらmiRNAが関節リウマチや変形性関節症の病態においてどのような意味を持つのか、ヒトサンプルでの発現変化の解析や、ノックアウトマウス作成による個体レベルでの機能解析が進められている。
 これらmiRNAのターゲット候補については、3’UTRにそれぞれのmiRNAのシード配列 と相補的な配列を、種を超えて保存していることを条件としたバイオインフォマティックス的な類推では十分といえず、我々は Luciferaseレポーター遺伝子ライブラリーを構築して、個々のmiRNAのターゲットを細胞ベースでかつノンバイアスに探索するシステム医学的手法の導入を試みている。さらに、TALENを初めとする特異的なDNAを認識するモジュールを生かしたmiRNAノックアウトマウスの作成などを用いて、軟骨の恒常性を維持し、炎症を抑制するmiRNAの遺伝子発現ネットワークを明らかにし、関節リウマチなどの疾患研究への応用につなげる戦略について紹介し、今後の再生医学、遺伝子治療の戦略について議論したい。


(連絡先:環境応用動物学研究室 高橋 滋)
 

生命エネルギー工学セミナーが行われました


生命エネルギー工学セミナー

日時:11月21日(木)15:20 ~ 
講師:Prof. Lars Peter Nielsen(デンマークAarhus大学)
演題:Electric currents and cable bacteria(電気を流す“ケーブルバクテリア”)
内容:
 Nielsen先生は海底に生息するフィラメント状のバクテリア (“cable bacteria”) が長距離電子伝達を行い,海洋底泥内の硫化水素の酸化に非常に重要な役割を果たしていることを世界で初めて発見するなど(Nature. 2010 463:1071-4; Nature. 2012 491:218-21),微生物地球化学の分野で最先端の研究を展開されている方です。先生の発見はこれまでの微生物学や地球化学の常識を覆すようなものであり,私自身も先生の論文を読んだ時にこのようなバクテリアが存在するのかと大変な衝撃を覚えました。これまで全く未知の存在であった”ケーブルバクテリア”について最先端の研究成果をご紹介頂けることと思いますので,ご興味のある方はぜひご参加ください。多くの方のご来聴をお待ちしております。

(連絡先:生命エネルギー工学研究室 高妻)
 

平成25年度 第5回生命科学セミナーが開催されました

平成25年度 第5回生命科学セミナーで 上原政樹さん (応用微生物学研究室)、仙波康之さん (極限環境生物学研究室) が講演


日時:10月9日(水)
演者:上原 政樹 さん(応用微生物学研究室、博士課程3年)
演題:オオミジンコにおけるNotch Signaling Pathway遺伝子群の機能解析

多数の卵を背部に抱いたオオミジンコ

 オオミジンコの属する甲殻亜門鰓脚綱の生物は、胸部付属肢に関節を持たないという特徴を持つ。他の節足動物における胸部付属肢は関節肢のみであることから、鰓脚綱における関節のない胸脚はこの系統でのみ獲得されたと考えられる非常に興味深い事象である。本研究では、広く節足動物門において関節を誘導する機能が保存されている Notch signaling pathway (NSP) に着目し、オオミジンコ胚における発現領域、及びRNAi法による機能解析を行った。その結果、頭部付属肢であり関節を持つ第二触角と、関節を持たない胸脚においてNSPの発現様式や機能が異なっており、頭部と胸部におけるNSPの使い分けが鰓脚綱における特異な形態を司っていることが示唆された。



演者:仙波 康之 さん極限環境生物学研究室、博士課程3年)
演題:全祖先配列復元法とコンセンサス全配列法による、安定なリグニン分解酵素の創成

分子系統解析により推定した祖先型リグニン分解酵素の立体構造(推定図)

 酵素の安定性の改善する方法として、当研究室では、酵素のアミノ酸配列全長を、進化系統樹を基に推定した祖先配列にする手法(全祖先配列復元法)が開発され、安定なDNAジャイレースの作成がおこなわれた。また、全祖先配列復元法と良く似た手法として、コンセンサス全配列法が知 られており、フィターゼの安定化の例が報告されている。今回我々は、これらの手法を用いて、産業への応用が期待される酵素、リグニン分解酵素の安定化を試みた。
 祖先型とコンセンサス型のリグニン分解酵素の変性中点温度は、既存の酵素よりも10–20℃高い約70℃であった。また、反応の至適温度も10–50℃上昇し、安定性の改善したリグニン分解酵素の創成に成功した。


問い合わせ先:生命科学部 生命科学セミナー担当 高橋 勇二
 

平成25年度 第3回生命科学セミナーが開催されました

平成25年度 第3回生命科学セミナーで 佐藤淳史さん (環境応答植物学研究室) が発表

日時:7月10日(水)
演者:佐藤 淳史 さん(環境応答植物学研究室、博士課程3年)
演題:緑藻クラミドモナスにおけるトリアシルグリセロールの蓄積
要旨:
 現在バイオ燃料が注目されているが、そのひとつとして藻類は食料と競合しないtriacylglycerol (TAG) の生産細胞として期待されている。しかしながら、藻類のTAG蓄積に関する知見は限られており、その生理学的意義も明らかになっていない。本研究は、緑藻クラミドモナスが硫黄欠乏条件下でTAGを蓄積させることを見出し、TAG合成系遺伝子の発現が誘導されることも確認した。さらに、既知の硫黄欠乏応答を制御する遺伝子が、TAG蓄積に関与している結果も得られた。生育が速く、扱いも容易な緑藻を用いてTAG蓄積機構を明らかにすることは、油脂生産技術を含む幅広い分野に貢献できると考えられる。

写真は硫黄欠乏条件移行後24時間の緑藻クラミドモナス  

TAGは油体の形で蓄積される(黄色の蛍光)


問い合わせ先:生命科学部 生命科学セミナー担当 高橋 勇二
 

微生物学特論セミナーが行われました


微生物学特論セミナー

日時:7月8日(月)
講師:Robert Kanaly 准教授(横浜市立大学)
内容:“Development of methods to detect DNA damage in bacteria“
要旨:
 With the aim to develop comprehensive DNA modification analysis capabilities in prokaryotes that are exposed to pollutants, a liquid chromatography electrospray ionization tandem mass spectrometry analytical approach called DNA adductomics is under development. Our current research in regard to the development of these techniques using a bacterial isolate will be presented.

(連絡先:生命エネルギー工学研究室 渡邉)
 

微生物学特論セミナーが行われました


微生物学特論セミナー

日時:7月1日(月) 
講師:上野 嘉之 博士(鹿島技術研究所 地球環境・バイオグループ 上席研究員)
内容:“メタン発酵とメタン発酵微生物群“
要旨:
 微生物によるメタン生成反応は、地球規模の炭素の循環において最も重要な反応のひとつである。この自然界で起こっている反応を利用して有機性廃液や廃棄物の処理を行うのが、嫌気性処理技術、すなわちメタン発酵である。本セミナーでは、メタン発酵の原理と、それを取り巻く社会状況を概観・解説するとともに、このメタン発酵ミクロフローラの菌叢についての解析結果を紹介する。省エネで持続可能な社会の実現には、こうした自然のミクロフローラの育種や制御技術が、今後ますます重要になってくるものと考えられる。

(連絡先:生命エネルギー工学研究室 渡邉)
 

環境ゲノム生態学セミナーが行われました

環境ゲノム生態学セミナー

日時:6月25日
講師:松田 裕之 先生(横浜国立大学大学院教授・日本生態学会会長)
内容:環境影響評価制度の実際 
   ー環境影響評価と辺野古米軍基地問題ー
要旨:
 普天間米軍基地の辺野古移転問題は、昨年末に環境影響評価(環境アセスメント)の評価書の補正書が沖縄県知事に提出された。その助言をした経験から、環境影響評価制度と辺野古の評価書について説明する。

(連絡先:生態学研究室 東浦)
 

微生物学特論セミナーが行われました


微生物学特論セミナー

日時:6月10日
講師:羽部 浩 博士((独)産業技術総合研究所 環境化学技術研究部門    バイオケミカルグループ グループ長)
内容:“微生物による有用物質生産 
   -グリセリン有効利用を例に-“
要旨:
 バイオディーゼル燃料(BDF)の製造過程では、グリセリンが油脂の約10%副生する。本講義では、副生グリセリンの有効利用技術として期待される“微生物を用いたグリセリン誘導体の生産技術”の開発等について紹介する。

(連絡先:生命エネルギー工学研究室 渡邉)
 

平成25年度 第1回生命科学セミナーが開催されました

平成25年度 第1回生命科学セミナーで 福田真己さん (極限環境生物学研究室) が発表

日時:5月15日(水)
演者:福田 真己 さん(極限環境生物学研究室、博士課程3年)
演題:ナノ構造体設計の為のタンパク質間相互作用のコンピュータシミュレーション
要旨:
 タンパク質同士を結合させてナノ構造体を構築する研究を進めている。幾つかのタンパク質は、重合や自己組織化を引き起こすが、それらはタンパク質二分子の結合から始まる。結合、解離をコントロールできるタンパク質相互作用面を作製する研究は、これまでにも成功例が複数報告されてきたが、未だに難しいテーマである。我々は、自然界によく見られる、分子間結合による4-helix bundle形成を参考にして、分子間相互作用を誘発する相互作用面を設計した。効率的に相互作用面を評価する為に、タンパク質結合の分子動力学シミュレーションを行い、どのようなアミノ酸を結合部に導入するべきか解析している。
 

 

問い合わせ先:生命科学部 生命科学セミナー担当 高橋 勇二
 

植物生理学特論セミナーが開催されました

杉本 貢一 博士(卒業生、京都大学生態学研究センター研究員)が講演

日時:5月1日(水) 
発表者:杉本 貢一 博士(生命科学)(日本学術振興会特別研究員・京都大学生態学研究センター
演題:「立ち聞き」する植物:植食者の接近を近隣植物の被害状況から知る
内容:




 動物と同じように、植物も時々刻々と変化する生育環境の変化を知覚・適応することで生き抜いている。植物の生存を脅かす外的ストレスの一つとして植食者による被害が挙げられるが、目を持たない植物はどのようにして植食者の接近を知るのだろうか?私たちは被食害植物が特徴的に放散する揮発性化合物に注目して、未被害植物による植食者の接近状況の知覚メカニズムを研究している。言い換えると、植食者-被食害植物-未被害植物の三者ネットワークの一成分である「被食害植物から未被害植物への情報伝達(立ち聞き)」の解明である。



杉本さんの実験装置

簡単な工夫をして実験しています。チャンバー内で揮発性化合物を曝露中。

 私たちは室内での操作実験を行うために、揮発性化合物の曝露装置を工作することから研究をスタートさせ、モデル実験系としてトマト植物とその害虫であるハスモンヨトウ幼虫を用いることにした。ハスモンヨトウ食害トマトからの揮発性化合物に曝露された未被害トマトのメタボロミクス解析から、曝露植物に特異的に蓄積する防衛成分として揮発性化合物の配糖体を見出した。この配糖体のアグリコンは被食害植物に由来することを証明し、被食害植物から未被害植物への情報伝達はいわゆる“情報伝達”とは異なり、化学成分の受け渡しによって行われることを明らかにした。現在は化学成分の受け渡しに関わる遺伝子の単離・同定を行っている。本セミナーでは、最新の研究成果や将来展望を踏まえた私たちの研究を紹介する。

 

Blumberg教授による肥満に関する特別セミナーが行われました。

「Obesogens, Stem Cells and the Developmental Programming of Obesity」

日時:3月28日
講師:Bruce Blumberg, Ph.D.(Professor, Department of Developmental and Cell Biology and Pharmaceutical Sciences, University of California, Irvine, CA, USA)

 Blumberg博士は、米国加州のSalk Instituteで核内受容体の研究にたずさわった後、UC Irvineで発達・細胞生物学研究室を主催されている。長年、レチノイン酸の発生に関わる機能解析を行い、近年は、基礎生物学の研究に加えて、環境因子に関わる研究を始められた。Blumberg博士は、発達期に曝露された環境ホルモンが肥満因子として働き、成熟後の肥満をもたらすこと、さらに、その影響が世代をへて受け継がれることを最近発表した。博士の研究は、New York Time で紹介され、社会的な関心も高い。
 今回のセミナーでは、肥満に関わる環境因子について詳しくお話を伺う予定です。
(Blumberg先生は、昨年の夏、生命科学部海外特別研修生に研修先のUC Irvineで講義をしていただいた先生です。)

  
生命科学部海外特別研修で講義をして下さった際のBlumberg 先生 その時の現地ルポはこちらから

(連絡先:高橋 勇二)
 

極限環境生物学研究室主催セミナーが行われました。

蛋白質フォールディングの「理想」と「現実」:凝集形成とシャペロンの役割

日時:2月18日
演者:田口 英樹 先生(東京工業大学大学院 生命理工学研究科)

(連絡先:極限環境生物学研究室 赤沼 哲史)
 

生命エネルギー工学セミナーが行われました。

「一括学習型自己組織化マップ(BLSOM)を用いた全地球レベルでの環境微生物多様性の解明」

日時:1月16日
講師:阿部 貴志 先生(新潟大学 工学部 情報工学科 准教授)
講師紹介:
 先生は、2011年に日本ゲノム微生物学会研究奨励賞を受賞されるなど、微生物ゲノム解析分野の第一線にてご活躍されています。
内容:
 環境中に生息する微生物の99%は難培養性であるため通常の実験的な研究がなされておらず、膨大なゲノム資源が未利用に残されている。この難培養性微生物類のゲノムは新規遺伝子を豊富に保有すると考えられ、大規模なメタゲノム解析が行われているが、多くのメタゲノム配列が生物種不明なまま公開されている。新規性の高い配列類であることから既存の類似配列が少なく、生物系統を配列相同性検索のような従来法で適確に推定することは困難である。大量のゲノム情報から、情報学的手法を駆使して有用な生物学的知見をいかに効率的に発掘していくかが、今後のゲノム情報解析研究の目指すべき課題である。
 教師なしニューラルネットワークの一手法で、大量データから視覚的に理解しやすい形式で特徴抽出が可能な自己組織化マップ法(Self-Organizing Map ; SOM)に着目し、これをゲノム配列解析に適応させ、データ入力順に依存しない一括学習アルゴリズムを導入したBLSOM(Batch-Learning SOM)を開発した。本発表では、大量ゲノム情報からの知識発見の強力な手法であるBLSOMを用いたゲノム配列解析、ならびに、メタゲノム配列に対する系統推定法を活用した研究について紹介を行う。
(連絡先:生命エネルギー工学研究室 高妻 篤史)
 

統計学セミナーが行われました。

統計学セミナー

日時:1月11日
講師:梅木 清 先生(千葉大学園芸学研究科准教授)
内容:ロジスティック回帰とポアソン回帰 
   死亡率や罹患率、細胞数のカウントデータなどの解析のために
要旨:
 死亡率、罹患率などの確率・比率を応答変数として統計解析をするとき、通常のANOVA, ANCOVA, 回帰などは使用できない。なぜなら、確率・比率は正規分布に従わないからである。このセミナーでは、確率・比率を問題なく解析する方法であるロジスティック回帰を紹介する。
(連絡先:生態学研究室 東浦 康友)
 

生命エネルギー工学セミナーが行われました。

「微生物燃料電池の発電メカニズムと 実有機廃棄物を用いた発電」

日時:11月26日
発表者:井上 謙吾 博士(宮崎大学IR推進機構 IRO特任助教)
内容:
 微生物燃料電池(Microbial fuel cells; MFC)は微生物が有機物を代謝する過程で生じる還元力を電気エネルギーとして取り出す装置であり、今世紀に入り、環境型エネルギー生産技術として注目を集めている。一般的なMFCのアノード側では微生物が有機物を代謝する過程で生じる電子を電極へ伝達し、カソード側ではその電子が酸素と反応し、消費され、電流が生じる。我々は、純粋培養系で特に高い発電能力を持つGeobacter sulfurreducensの発電メカニズムの詳細を明らかにすることを目的として、最大電力密度での発電に必須な遺伝子・酵素に着目して研究を行っている。最大電力密度での発電に必須な遺伝子の1つである細胞外c型シトクロムomcZの遺伝子産物は、そのペプチド鎖の開裂が伴う細胞外分泌を経て、細胞外マトリクスおよびアノード電極表面に局在することが知られている。本講演では、OmcZの開裂と分泌の詳細についての最新の知見を紹介する。また、我々は自然界から高い発電能力を有する新たな微生物の単離、および、宮崎県で多く発生する牛糞を用いた微生物燃料電池の構築も試みており、その研究成果についても紹介したい。
講師紹介:
 井上謙吾先生は東京大学農学生命科学研究科にて学位を取得された後、鉄還元菌や微生物燃料電池の研究で世界的に著名なDerek Lovley教授の研究室(米国マサチューセッツ大学)に留学されました。現在は宮崎大学にて電流生産菌の発電メカニズムに関する研究を継続するとともに、宮崎県への地域貢献の視点からも積極的に研究を展開されています。(連絡先:生命エネルギー工学研究室 高妻 篤史)
 

セミナーが行われました。

「ノンコーディングRNAによる遺伝子ネットワークの制御 & DNAの人為的修復による遺伝子・細胞治療」

日時:11月26日
講師:浅原 弘嗣 先生(東京医科歯科大学 医歯学総合研究科 システム発生・再生医学分野 教授、国立成育医療研究センター 特任研究部長)
内容:
 分子生物学と医学の融合の基盤となるのは、今なお、ジャコブ&モノ―のオペロン説とクリックらによるセントラルドグマであろう。ヒトの全ゲノムが明らかになり、また、iPS細胞の発明によって、自在に分化・未分化を操作できるようになった現在、この根源的なセオリーを改めて俯瞰することで、新たなパラダイムが開けてきている。サイエンスに夢を描き、医学に貢献をしていくことを目標に、まだ、氷山の一角しかわかっていないノンコーディングRNAの存在、TALENに代表される新しい遺伝子エディッティング技術の導入を中心に、自己免疫・関節疾患や先天性疾患をモデルに選び、医学と医療両面における研究のフロンティアを紹介し、ポストiPS、ポスト遺伝子治療と考えられる今後の研究分野を議論したい。(連絡先:環境応用動物学研究室 高橋 滋)
 

マリンバイオテクノロジー懇談会

平成24年度マリンバイオテクノロジー懇談会が 11月15日早稲田大学で行われます

「全自動ロボットが深海底で生物を見る」「東北マリンサイエンス拠点形成事業の目指すもの」の講演が行われます。まだ参加可とのことですので、興味をお持ちの方ぜひご連絡下さい。 (祥)
 

講演会が行われました。

「生物とガラス」村勢 則郎 教授(東京電機大学理工学部 生命理工学系)が講演

日時:11月9日
講師:村勢 則郎 教授(東京電機大学理工学部 生命理工学系)
演題:生物とガラス
内容:
 生物の生命活動を維持するために水は欠かすことのできない物質である。そこで、生物の中には乾燥や凍結などの水ストレスを受けたときクリプトビオシス(無代謝休眠状態)となって生き永らえ、ストレスが取り除かれると蘇生するものがいる。クリプトビオシスはガラス状態の可能性がある。ガラス状態において生体膜を始めとする生物の高次構造は保持されたまま分子運動が凍結されるからで、ネムリユスリカ幼虫、クマムシ、線虫などが無代謝休眠状態となることが知られている。また、種子、胞子などもガラス状態で保存される可能性が強い。我々は、技術としてこのような生物のガラス化戦略を様々な細胞や組織、生物の保存に役立てることができる。ポリヒドロキシ化合物には凍結濃縮しても析出しづらい物質が多く、これらの物質を添加して冷却することによりガラス化保存可能となる場合がある。また、常温で脱水乾燥することによりガラス化することが可能な場合もある。常温における生物資源のガラス化保存は期待される技術であり、既に食品・医薬品分野においては広く利用されている。
 本講演では、物理化学の概念であるガラスの定義、ガラス転移の熱力学、水系のガラス化を解説し、生物ガラスの視点から、クリプトビオシスとガラス状態、生物・食品のガラス化保存について紹介する。(連絡先:生命分析化学研究室 藤原祺多夫)
 

生命エネルギー工学セミナーが行われました。

岡本 章玄 博士(日本学術振興会SPD・南カルフォルニア大学へ留学中)が講演

日時:11月2日
発表者:岡本 章玄 博士(工学) (当研究室所属・日本学術振興会SPD)

演題:生体電子の流れで活性化する膜タンパク質機能の発見
内容:
 錆や鉱物などの固体材料と直接電子のやりとりをする微生物が海水や土壌中に生息していることは古くから知られているが、その電子移動メカニズムの大部分は現在に至っても明らかになっていない。本講演では、我々が開拓した“生体電子を直接追跡する電気化学”を用いることで、微生物電子移動の鍵となる膜タンパク質の活性制御機構に迫った成果を紹介する。
 カルフォルニアでの研究生活についても紹介してもらう予定です。多数のご参加お待ちしております。(高妻)
 

応用微生物学セミナーが行われました。

卒業生のAkira Sassaさん(NIH, USA)がセミナーで講演

日時:9月10日
講師:Dr. Akira Sassa (本学部、H22年度博士後期課程修了)
   The Laboratory of Structural Biology, NIEHS, National Institutes of Health
演題:8-オキソグアニンDNAグリコシラーゼの8-オキソグアニン除去活性における周辺塩基配列の影響
要旨:
 ヒト8-オキソグアニンDNAグリコシラーゼ(OGG1) は、細胞内において、酸化ストレスによって生じるDNA損傷7,8-dihydro-8-oxoguanine (8-oxoG) を除去する活性を持つ。これまでの構造学的研究から、OGG1の活性は、8-oxoGの周辺の塩基配列によって影響を受けることが示唆されており、その特徴が、ゲノムDNA上で生じる突然変異のホットスポット形成に寄与すると予想される。本研究では、8-oxoG近傍の塩基配列がOGG1の活性に及ぼす影響を、酵素反応速度論的解析によって解析した。OGG1は、GC-リッチ な塩基配列においても、効率よく8-oxoGを除去した。また、CpG配列において、8-oxoGの5’側のシトシンのメチル化は、OGG1の活性に影響を与えなかった。一方、8-oxoGの5’側に導入されたミスマッチ塩基対は、OGG1の活性を顕著に減少させた。このことから、8-oxoGの5’側で生じるDNAの構造異常は、OGG1による8-oxoGの修復を妨げ、損傷の突然変異誘発能を高めることが示唆された。
連絡先:応用微生物学研究室 時下
 

平成24年度 第5回生命科学セミナーが行われました。

平成24年度 第5回生命科学セミナーで 中野春男先生 (環境応用動物学研究室) が発表

日時:9月12日
演者:中野 春男 先生(環境応用動物学研究室、助教)
演題:嗅細胞ニューロンの分化におけるストレス応答性転写因子の役割
要旨:
 Activating transcription factor 5 (ATF5) はCREB/ATF familyに属する転写因子の一つで、重金属、例えば、カドミウムやヒ素の暴露などの環境ストレスに応答し、その発現量がmRNAの安定化や翻訳効率の 変化などを介して上昇します。発現増加したATF5は、ストレス負荷状態にある生体の恒常性維持に働いていると考えられています。その一 方で、ATF5は神経幹細胞/前駆細胞に発現していて神経細胞やグリア細胞の分化に関与することが報告されており、神経系発生における ATF5の役割が注目されています。本セミナーでは、最近我々が行っている、嗅覚上皮に存在する嗅細胞ニューロンの分化におけるATF5 の機能解析について紹介します。
問い合わせ先:生命科学部 生命科学セミナー担当 高橋 勇二
 

生命エネルギー工学セミナーが行われました。

生命エネルギー工学セミナーで大滝宏代博士(首都大学東京 理工学研究科)が講演

日時:7月24日
講師:大滝 宏代 博士(首都大学東京 理工学研究科 生命科学専攻 環境微生物学研究室 研究員)
演題:光合成細菌を含む微生物マットにおける電子循環
内容:
 大滝さんは今年博士課程を修了した若手の研究者で、長野県の中房温泉の下流に生息する緑色温泉マット微生物生態系について研究を行っています。最近、温泉マット生態系の中での物質・エネルギー循環について興味深い論文を発表しました。今回のセミナーでは、最新の研究成果について紹介いただくとともに、研究室の紹介や研究者生活についてもお話いただきます。
 

平成24年度 第4回生命科学セミナーが行われました。

平成24年度 第4回生命科学セミナーで小野寺威文さん (応用微生物学研究室) が発表

日時:7月11日
演者:小野寺 威文 さん応用微生物学研究室、博士課程3年)
演題:多種生物間に共通した機能未知ygjD/yeaZオルソログの機能解析
要旨:
 ygjD/yeaZオルソログは、真正細菌や真核生物、古細菌などの多くの生物種間で広く保存されている機能未知遺伝子の一群 であり、 ygjDとyeaZ遺伝子はパラログの関係にある。これら遺伝子は多種多様な生物で様々な研究結果が報告されるも、機能は未だ明らかに なっておらず理解が不十分である。そこで我々は、ygjD/yeaZオルソログの機能を調べるために、放射線抵抗性細菌 Deinococcus radioduransを用いて、DrygjD及びDryeaZ遺伝子破壊株を作製した。得られた遺伝子破壊株を変異原処理したところ、DNA鎖間架橋損 傷を誘発するマイトマイシンCに著しい感受性を示した。これよりDrygjD及びDryeaZ遺伝子はDNA鎖間架橋損傷修復に 関連する 新規の遺伝子である可能性が見出されたので紹介する。
問い合わせ先:生命科学部 生命科学セミナー担当 高橋 勇二
 

理論系合同セミナーが行われました。

理論系 (生命物理生物情報) セミナーで福田真己さん (極限環境生物学研究室) が発表

内容:コンピュータシミュレーションによる4-helix bundleを基にしたタンパク質間相互作用面の設計
日時:7月6日
演者:福田 真己 さん(極限環境生物学、博士課程2年)
要約:
 ボトムアップ方式のバイオナノテクノロジーとして、タンパク質などの持つ自己組織化能が注目されている。ポリペプチド鎖は、自己組織化により折りたたみや重合が行われ、タンパク質ナノ繊維を形交互共重合体を形成させる事を目指している。効率的に結合領域を設計する為に変異タンパク質の分子動力学シミュレーションを行い、どのようなアミノ酸を結合領域に導入するべきか検討している。本研究では、安定性に優れたタンパク質であるYciFを材料に、分子動力学ソフトGROMACSを用いてタンパク質二分子の結合に関するシミュレーションを行った。
問い合わせ先:分子生命科学科 生命物理科学研究室 高須 昌子